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WSO2 Identity Platformとは?できることや料金、注意点を解説

読む目安 約4分 更新日 2026-08-07WSO2 Identity Platform

WSO2 Identity Platformは、顧客向けアプリの認証をクラウドで提供するID基盤です。一般消費者向けのB2Cアプリだけでなく、複数の取引先企業が使うB2B SaaSにも対応しています。ログイン画面や多要素認証に加え、B2Bでは企業ごとにユーザーや設定を分けられることが特徴です。

以前はAsgardeoという名称でしたが、2026年6月15日にWSO2 Identity Platformへ改称されました。公式の変更履歴では名称だけの変更とされており、既存利用者の作業や機能変更はありません。古い資料でAsgardeoを見かけた場合も、同じサービスを指していると理解できます。

B2CとB2Bの両方を扱える

B2Cでは、一般消費者がアプリへ登録し、ログインする仕組みとして利用できます。一方のB2Bでは、利用者個人だけでなく、その人が所属する企業も管理対象です。両者は対象も料金枠も異なるため、導入前にどちらの用途なのかを分けて考える必要があります。

B2Bの「organization」は、1つの企業や事業体を表します。organizationごとにユーザー、ロール、アプリ、ブランド設定、管理者を分離できます。さらに、root、parent、childからなるツリー型の階層を作れます。たとえば、本社の下に複数の子会社を置くような構造を表したい場合に検討しやすい仕組みです。

これは顧客向けのID管理に関する機能です。従業員が社内システムへ入るためのworkforce向けIAMとは、対象者と運用目的を分けて評価しましょう。

ログインとMFAでできること

アプリ向けに、ホスト型のログイン画面とユーザー登録の流れが用意されています。自前で画面を一から用意する前に、標準の画面で始めたい場合に選択肢になります。ローカルユーザーについては、ユーザー名とパスワードによる認証をアプリのログイン方式として設定できます。

MFAは多要素認証のことで、パスワードなどに別の確認方法を追加する仕組みです。WSO2 Identity Platformでは、TOTP、メールOTP、SMS OTP、パスキー、プッシュ通知などを組み合わせた多段階認証を設定できます。どの方法を必須にするかは、利用者の端末環境や復旧手段も含めて決める必要があります。

企業のID基盤を使うエンタープライズログインでは、OIDCまたはSAMLを利用します。SSOは、1回の認証で関連するサービスへ入りやすくする仕組みです。利用できる接続数の上限はB2Bプランごとに異なります。OIDC/OAuthとSAMLによる連携は、B2CとB2Bのアプリログインで扱えます。

なお、ここで確認できるのはログインとSSOの範囲です。SCIMによるユーザー同期が必要な場合は、対応範囲やプラン条件を別途確認してください。

ユーザー、権限、セッションの管理

管理用APIとSDKでは、ユーザー、organization、アプリ、接続を管理できます。管理画面のConsoleとAPIからは、B2Cのユーザー、B2B組織のユーザー、ロールを扱えます。B2Bではorganizationごとに専用の管理者と独立した設定を持たせられるため、顧客企業へどこまで管理を任せるかを設計できます。

ロールを管理できることと、アプリ内のauthorization、つまり「誰がどのデータや機能を使えるか」を決めることは分けて考える必要があります。認証後の細かな権限判定まで任せたい場合は、自社アプリ側との役割分担を確認しましょう。

ログイン後については、アプリのセッション、トークン、ログアウト、失効をID基盤で扱います。利用者の退会や所属変更に合わせたアカウントのライフサイクルと、セッションをいつ無効にするかを一緒に設計すると、運用の抜けを見つけやすくなります。

料金の見方

料金はGLOBAL向けの公式情報を基準にしており、確認日は2026年8月7日です。日本専用の円建て料金は確認されていません。B2CとB2Bでは無料枠の単位が異なり、B2B ProfessionalはMAU(月間アクティブユーザー数)を含む基本プランとして示されています。

プラン課金単位料金主な内容
pricing planbase_plan$425/monthB2B Professionalは500 MAUで月425米ドル、年払い4,250米ドルと案内される。
quote contract minimum公式料金の課金単位を参照公開額なし(見積もりまたは個別条件)EnterpriseのB2C/B2B容量、support、private deployment条件は個別契約で確定する。

別途確認する費用

費用項目内容
consumer_mauB2C Freeは7,500 consumer MAUまでと案内される。
b2b_mauB2B Freeは250 MAU、3 sub-organizations、5 applicationsを含む。

注意

WSO2 Identity PlatformはGLOBAL公式料金を基準としています。市場、通貨、契約周期、追加機能を公開前に再確認してください。

B2Bでは人数だけでなく、sub-organization数やアプリ数も見積もりに影響します。EnterpriseはB2C・B2Bの容量、サポート、private deploymentの条件が個別契約です。公開額がないことを無料という意味には読み替えられません。

配置地域と運用条件

クラウドのテナントは提供されているlocationへ配置され、そのlocationが顧客IDデータの保存地域になります。利用予定地域で選べるlocationと、自社のデータ保管要件が合うかを契約前に確認する必要があります。

標準はクラウド型として検討し、private deploymentが必要ならEnterpriseの個別条件を確認します。自社運用の範囲、サポート、障害時の責任分担まで含めて判断しましょう。公開情報だけでは自社契約に適用されるSLAを確定できないため、可用性要件がある場合は契約条件での確認が必要です。

向いているケース

WSO2 Identity Platformは、B2Cの顧客ログインを整えたい場合と、企業ごとにユーザーやアプリを分離するB2B SaaSの両方で候補になります。特に、階層型のorganization、多様なMFA、OIDCやSAMLによるログインを一つの基盤で扱いたい場合に検討しやすい製品です。

一方、B2CとB2Bのどちらを使うかが曖昧なままでは、組織設計も料金試算も定まりません。必要な利用者数、企業階層、アプリ数、ログイン方式、配置地域を先に整理すると、自社に合うか判断しやすくなります。

確認しておきたいこと

一般消費者向けと企業向けのどちらで使い、月間の利用者数はどの程度か
顧客企業や子会社を何階層に分け、各社へどこまで管理を任せたいか
必要なログイン方式、データの配置地域、月額費用と個別契約の条件が自社要件に合うか

よくある質問

Q.Asgardeoとは別の製品?

A.別製品ではありません。Asgardeoは2026年6月15日にWSO2 Identity Platformへ改称されました。公式情報では名称変更のみで、機能変更や既存利用者の作業はありません。

Q.B2CとB2Bの両方に使える?

A.はい。一般消費者向けアプリと、複数企業が利用するB2B SaaSの両方が公式の用途として示されています。ただし、組織管理の仕組みや料金枠は分けて確認する必要があります。

Q.無料で試せる?

A.B2C Freeは7,500 consumer MAUまで、B2B Freeは250 MAU、3 sub-organizations、5 applicationsを含むと案内されています。B2B ProfessionalやEnterpriseとは条件が異なります。

出典

確認日: 2026-08-07(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)

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