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Oryとは?できることや料金、注意点を解説

読む目安 約4分 更新日 2026-08-07Ory

Oryは、顧客向けアプリの認証、ユーザー管理、権限管理、システム間認証を扱うID基盤です。ログイン画面だけを追加するサービスではなく、登録、ログイン、セッション、ユーザー情報の管理をアプリへ組み込むための仕組みを提供します。

提供形態は、Oryが運用するマネージドサービスのOry Networkと、利用者の環境で運用するセルフホスト版のEnterprise Licenseに分かれます。運用を任せたいのか、IDサービスとデータベースを自社環境に置きたいのかで、選ぶ構成が大きく変わる製品です。

顧客向けの登録とログインを組み込める

Oryの認証機能では、Ory Kratosが利用者自身による登録とログインの流れを担当します。APIやUI nodeを使ってアプリへ組み込むため、既製のログインページを置くだけでなく、自社アプリの画面や導線に合わせて認証体験を構成したい場合に検討できます。

ログイン方法は、パスワード、パスキー、メールやSMSのコード、ソーシャルログインに対応しています。多要素認証(MFA)やハードウェアを使うMFAも扱います。どの方式を使うかは、利用者の端末やアカウント復旧の方法、必要な安全性に合わせて決める必要があります。

Ory Kratosは、ブラウザまたはAPIによるログインセッションの作成、検証、ログアウトも扱います。認証できた後に、いつまでログイン状態を保つか、どの操作で再認証を求めるかをアプリ側の要件と合わせて設計します。

認証と権限管理は分けて考える

Oryの製品範囲には、顧客認証だけでなく権限管理も含まれます。ただし、ログインに成功したことと、アプリ内の情報を閲覧・変更できることは別です。認証では利用者が誰かを確認し、authorizationではその利用者に許可する操作を判断します。

たとえば取引先向けの管理画面では、一般利用者と組織管理者で操作できる範囲を変える設計が考えられます。認証方式を決めるだけでなく、ユーザー、組織、役割、対象データの関係をアプリの要件として整理しておくことが重要です。

システム同士が人を介さず接続するM2Mも対象です。顧客が画面からログインする認証とは利用者も流れも異なるため、同じものとして設計せず、必要な権限や認証情報の管理方法を分けて考えます。

ユーザー管理とB2B機能

Admin APIでは、顧客IDの作成、更新、削除や認証情報の管理を行えます。セッション、アカウント復旧、確認処理なども管理対象です。自社の管理画面や運用処理とつなぐ場合は、どのシステムをユーザー情報の正本にするか、退会や利用停止をどの順序で反映するかを決めておきます。

B2B Organizationsは上位プランの比較項目として提供されています。また、ワンクリックのSAML SSO、SCIM、Directory SyncもB2B向けの上位機能として掲載されています。取引先ごとの組織管理や企業IDとの連携が必要な場合は、必要な機能が検討中のプランに含まれるかを確認してください。

ここでいうSCIMやDirectory Syncは、企業側のユーザー情報を連携するための仕組みです。SAML SSOは企業の認証基盤を使ったログインに関係します。個人顧客向けのソーシャルログインとは目的が異なるため、B2CとB2Bの要件を分けると選びやすくなります。

マネージド版とセルフホスト版の違い

Ory NetworkではOryがサービスを運用します。自社で個々のIDサービスやデータベースを保守する範囲を抑えたい場合に候補になります。Growthには99.9%、Network Enterpriseには99.99%の稼働率SLAが示されています。必要な保証水準が契約プランに含まれるかを確認することが大切です。

セルフホスト版では、IDサービスとデータベースを利用者の環境に置きます。配置を自社で管理できる一方、個々のサービス間のバージョン互換性やデータベース移行は運用者が管理します。インストールできるかだけでなく、更新、障害対応、バックアップを継続できる体制まで含めて判断する必要があります。

特定地域でのデータ処理が必須なら、Ory Networkで選べる地域と契約条件を確認します。セルフホストの場合も、自社環境に置けることだけで要件を満たすとは限らないため、運用や委託先を含む全体構成で確かめます。

Oryの料金

Ory Network Productionは月額、Growthは年額で示されています。Enterprise Networkと商用セルフホストライセンスは個別契約です。月額と年額を同じ請求周期として扱わず、必要な環境数、B2B機能、SLA、サポートをそろえて費用を見ます。

プラン課金単位料金主な内容
pricing planplan_price$70/monthOry Network Productionは月70米ドルで1 productionと3 staging environmentsを含む。
pricing planplan_price$9350/yearGrowthは年9,350米ドルでmulti-tenancyとOIDC B2B SSOを含む。
quote contract minimum公式料金の課金単位を参照公開額なし(見積もりまたは個別条件)Enterprise Networkおよびcommercial self-host licenseの価格・SLA・supportは個別契約で確定する。

注意

料金は2026年8月7日に確認したGLOBAL向けの参照情報です。日本専用の円建て料金は確認できていません。市場、通貨、契約周期、追加機能を含む条件は、契約前に確認してください。

Productionには本番環境1つとステージング環境3つが含まれます。GrowthにはマルチテナンシーとOIDCによるB2B SSOが含まれます。環境数だけでなく、必要な組織機能や企業SSOまで含めてプランを選ぶのがポイントです。セルフホストを選ぶ場合は、ライセンス料だけでなく自社が担う運用も別に見積もります。

Oryが候補になりやすいケース

Oryは、アプリ固有の画面や導線に顧客登録・ログインを組み込み、セッションやユーザー管理までAPIで扱いたい場合に候補になります。パスキーや各種コード、ソーシャルログイン、MFAを組み合わせたい場合にも検討できます。

B2Bの組織管理や企業SSOが必要な場合は、上位プランの機能と費用を重点的に確認します。自社環境で運用する必要がある場合はセルフホスト版を選べますが、更新やデータベース移行を担える体制が前提です。反対に、その運用を任せたいならOry Networkを軸に比較すると整理しやすくなります。

導入前に確認しておきたいこと

利用者が使う端末で、必要なログイン方法とアカウント復旧を無理なく提供できますか。
取引先ごとの組織管理や企業SSOが必要なら、対象プランに機能と必要な環境数が含まれますか。
セルフホストを選ぶ場合、更新、データベース移行、障害対応を継続できる担当者がいますか。

よくある質問

Q.Oryは顧客向けのログインに使える?

A.使えます。顧客の登録、ログイン、セッション、ユーザー管理をアプリへ組み込むための機能があります。

Q.Oryはセルフホストできる?

A.商用のセルフホスト版Enterprise Licenseがあります。サービスとデータベースを自社環境に置く代わりに、互換性やデータベース移行を運用者が管理します。

Q.SAML SSOやSCIMは使える?

A.B2B向けの上位機能として掲載されています。検討中のプランに含まれるか、必要な接続条件を満たすかを確認してください。

Q.ProductionとGrowthは同じ請求周期?

A.同じではありません。Productionは月額、Growthは年額で示されています。個別契約のEnterpriseと分けて比較してください。

出典

確認日: 2026-08-07(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)

Ory